第3章 《1部/前編2/5話/3P》04 05 06
〈子供時代編〉【05 未来の一流シェフ】
〈02/10話│2(1/2)/3P│1500字〉
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「いったいなんで…?」
「さっきの光となんか関係あるのかも」
「だよね…でも…え…?」
私が触ってた場所をまた触るとかすかに光る。
(これは……私が…してること?)
「にいさま、ちょっとごめんね」
消毒途中だったサンジの顔の、痛々しそうに色が変わっている部分にゆっくりと触れてみた。
すると小さな白い光が私の手を覆って、その光で触れた顔の傷がまるでなにもなかったように治っていく。
「え?な、なおったの……なくなった…?」
「すっごいな……」
「あ……どこか、いたいとかはない…?」
「いや、全然大丈夫。そもそもロクジュの手に触られてるといつもキモチいいんだよなー」
「そ、そうなの……?」
何度もうなづきながらにかむように笑う。
(………え?これって治癒能力?私の[血統因子]を操作して与えられた能力は〈治癒能力〉なんですか?)
こちらの[ジェルマ66]………と言うかジャッジさんの科学は《悪魔の実》の《超人系》で得られる能力の長所を混合して人間の遺伝子に組みこみ[レイドスーツ]の科学力で反映させるのを可能としている感じ。
なので〈治癒能力〉なら[マンシェリー姫]の《チユチユ》の能力に近いモノだと認識する。
(マジで………!?)
とりあえず『物は試し』とサンジの体にあった小さい傷や古い傷も目についた物を手当たり次第に治してみた。
色々と試してみて分かったのは、どうやら手だけじゃなくて顔や足も全身が───『私から触れたら治癒能力を発揮する』のだと分かる。
本家のようにもちろん[涙]も。むしろ唾液や血液なんかの体液まで全部〈治癒能力〉をそなえていたこの[ロクジュ]の体。
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