第1章 *スーパースター 潔 世一
『よっちゃん、別れよ』
「はっ!?なんでだよ!そんな急に、、、」
『急じゃないよ!よっちゃんはずっとサッカーばっかりじゃない』
「ッ!!それは、、、も分かってくれてただろ!俺の夢を一緒に応援するって言ってくれたじゃん!」
『ッ、、、もう嫌なの、、、だから別れて』
「、、、、」
そんな悲しい顔しないで、、、、
本当は今でもよっちゃんが好き
サッカーが大好きなよっちゃんが好き
楽しそうにサッカーをしているよっちゃんが好き
いつもずっと近くで彼を応援していた、誰よりもよっちゃんを知っているつもりだった。
でも、、、テレビで見たよっちゃんは私の知っている彼ではなかった。
今までよりもずっとカッコよくて、凄かった。
彼はスーパースターになったのだ。
それと同時に不安になった。
彼の隣に私なんかがいて本当にいいのかと、、、
否、怖かった。
急によっちゃんに捨てられるのではないかと、、、
それならば自分で終わらせた方が諦めがつくと思ったのだ。
自分勝手なのは分かっている。
我儘な女だと、、、面倒くさい女だと思われれば、きっとよっちゃんも私のことなんかすぐ忘れるだろう。
『、、、話はそれだけだから、、、じゃあ、ね、、、よっちゃん?』
「何勝手に話終わらせてんだよ」
『ッ!、、ちょっ、、、よっちゃん!?』
この時初めてよっちゃんの怒った顔を見た。
パシッと手を掴まれた私は彼に引きずられるがままだった。