第11章 いじめられ令嬢は訴える!!
「『一週間前、お御堂裏、放課後』
『その次の日、教科別棟三階トイレ、三時限後』
『一昨日、講堂裏、放課後』
『なぁ、お前分かってるのか?お前がそうやって黙って耐えたって誰も助けになんか来ないんだよ』
『お前みたいなデカパイなだけの女がエドガー様に相応しいと思ってる?』
『お前さあ、もしかして私達の事エドガー様にチクろうとか考えてる?無駄だから!エドガー様は私の味方なんだよ!』」
―――読み上げていけば、ヒルダ達の顔は白くなっていき、青くなり、台詞の辺りでは真っ赤になった。
「まだ、お聞きになりたい?」
私が言えばヒルダは震え出す。
「わたくしが黙ってやられているから何もしないと思いましたわよね?まーたくっ!違いますの!あなた達の犯行記録がこうして溜まるまで待っていただけでしてよ。デニース、やってちょうだい」
帳面を持っている私に変わって、デニースが私のドレスをたくしあげる。
下着まで見えそうなその光景に周りで静観している方々の視線が突き刺さった。
白い肌が、赤く腫れて、黒ずんだり、青くなったり痣になっている太もも―――。
私はそれを皆様に見せ付ける。
「リンダッ、止めなさい」
エドガー様がデニースの手を離させ、ドレスがふわっと戻る。
「皆様、今の痣、ご覧になったでしょう?わたくし、ニールンダ嬢達に服で見えない場所を殴られていましたのよ。でも勇気を出してデニースに相談して、態と一人になり、殴られた日や時間や場所、言われた台詞を書き起こして頂きましたの」
―――『お見せできない場所にはもっと痣がありますのよ』。
ヨヨヨ、と悲し気に扇で顔を隠す私。
デニースとエドガー様が肩を抱いてくれた。