第9章 いぇ~い、王太子殿下見ってる~?
「ステファン様」
お御堂のオルガンの裏へ行って手招くとステファン様は疑わず着いてきた。
抗う隙も与えず口付け無理矢理唇と歯列を侵略しタブレットを口に送り出し、口を離すと手で口と鼻を塞ぐ。
ビックリした彼はそれを無意識に嚥下してしまう。
カションッとステファン様の両手を枷で束ねる。
「え―――?」
ステファン様は枷の嵌った手首と私を見比べていた。
「お黙りになってね、あんまり騒ぐと誰か来て恥ずかしいのは貴方でしてよ」
鞄をゴソゴソしながら私。
ステファン様を床に突き倒し靴で鳩尾辺りを踏み付ける。
「今からあなたの乙女を散らします」
鞄から出した『淑女の嗜みセット』の一つを手に言う。
「反省、したって、……」
「えぇ、しました。ただやられるだけなんてわたくしらしくなかったと反省致しました」
ステファン様を跨いで座った。
驚愕した顔を眺めながら言う。
「お覚悟なさいまし。ヤクキメの、過ぎた快感は辛いですから」
ペチペチ、道具でステファン様の顔を叩きながら私は言った。
―――朝のお御堂でお薬キメお淫らに耽り、場所を変えてお淫ら続行。
ステファン様は堕ちる。
情けない声を上げながら、それでも神に、ユーリアに許しを請うステファン様。
『ユーリア嬢ごめんにゃしゃい……ステファンは……悪魔に魅入られてしまいました。たしゅけて神様……マクシミリアンでんかぁ』
アハハハハハ、愉快だわ。
もう明日の夕方にはプロムが始まる。