第9章 いぇ~い、王太子殿下見ってる~?
それを感じながら笑みを強くする。
「今から貴方を淑女にして差し上げます」
腰に乗り上げ、足を開き外套を完全にバッと開く。
そこには詰め込めるだけ詰め込んできた『淑女の嗜みセット』があった。
「な、な、何、を」
「何か想像がつきまして?」
エドヴィン様の顎を指で弾いて言う。
「さあ、わたくしに溺れなさいまし」
―――その夜はとても眠かった。
久しぶりに腕を振るって疲れたし、私が求めていた結果が得られて。
ふわふわのベッドに寝転がって高笑をする。
一頻り笑って、私はウトウトしながら次なる敵―――『ステファン様』の事を考えた。
会うのは容易いが、ステファン様はエドヴィン様程ちょろくはない筈―――。
心してかからねば……そう思いながら私は眠りにつく。