第9章 いぇ~い、王太子殿下見ってる~?
すぐ着替え、私は出掛ける。
先ずはエドヴィン様―――今の時間なら学園の訓練所に居る筈。
もう大分遅い時間だが、エドヴィン様は自主練しているだろう。
―――訓練所に着けばそろそろ屋外は藍を纏い出しているのにエドヴィン様はまだ剣を振っていた。
「エドヴィン様」
私は息を上げ駆け寄る。
「ん?……ボレリウス伯爵令嬢…………何か用ですか?」
私が駆け寄ってきたのを認めるとエドウィン様は冷たい口調で言う。
殿下の親友、勿論ユーリアとも親しく、多分もう明後日何が起きるか分かっている。
「……エドヴィン様、……もうシルヴィア嬢とは呼んで下さらないのね……」
俯きながら着ていた外套の襟を緩め―――それを視線で追ったエドウィン様の目が見開かれていく。
そして私の思惑通り、教師すら訪れないであろう訓練所の倉庫に引き摺っていく。
「ボレリウス伯爵令嬢、何の真似だ?!」
言われて、私はニチャァと笑う。
「『何の真似だ』、とは?」
言いながら外套のボタンを外していく。
胸の下辺りまで。
たるんだ衣服から覗くのは私の白く滑らかな乙女の柔肌。
―――私は裸コートでここまで歩いてきたのだ。
「エドヴィン様っ」
そして私は彼に抱き着く。
ぐりっぐりっと私のたゆんたゆんを擦り付けて。
「以前は私を『シルヴィア嬢』と呼んでくださったのに、『ボレリウス伯爵令嬢』だなんて……もう、ご存知なんですね……?」
問えばエドヴィン様はそれ所では無さそうな顔をしていた。
だってエドヴィン様の胸には私のたゆんたゆんがたゆんたゆんしているのだから。
「ぼぼぼ、ボレリウス伯爵令嬢?!」
「シルヴィア嬢ともう呼んで下さらないの?」
「シルヴィア嬢?!……な、な、何を」
動揺しているわね。
思った通りよ。このDT。
ワタワタしている両手を掴む。
そして―――、カシャンッと私はそこに手錠を掛けた。
勿論エドヴィン様でも引き千切れない様に本格的な拷問用だ。
「へ?」
一体今自分が何をされようとしているのか全く分からないのだろう。
「お黙り」
固まってしまったエドヴィン様を床に押し倒す。
「こんなか弱い女を蹴ったり致しませんわよね」
言いながら下腹部に伸し掛る。
くいっくいっと腰をグラインドさせれば、エドヴィン様のお大事様がワッフルワッフルした。
