第6章 断罪イベントは蜜の味
王妃になりたいからじゃない。
フィリップ様を愛していたから―――。
だからエメリに『あなたの愛は養殖なんだわ。フィリップ様を本当に愛しているのは私』と言われた時、激昂してしまったのだ。
―――養殖なんかじゃない、確かに私の愛は後付け、……でも本当にフィリップ様を愛している。
私が怒られなきゃならないとしたらエメリをぶった事位だ。
ヴェロニカは色んな情報を手にしていた。
それでもそれを明らかにしようとしなかったのはフィリップ様を愛していたから。
フィリップ様に迷惑が掛かると考えていたから。
―――でも、私は違うわ。
この情報を活用してあげる。
絶対許さない。
断罪する気?逆に断罪してあげるわ!!
首を洗って待っていなさい、エメリ。
「誰か!!」
―――私は情報を纏める作業に入った。