第4章 【悲報】演劇部ワイ、咽び泣く
だめ押しにシクシク、手に頭を乗せすすり泣いて見せる。
そしてクラース様を見上げた。
「剣に誓ってソーニャを護る、とおっしゃってくれたじゃありませんの」
震えた、絞り出す声。
咽び泣き訴える私に、クラース様の心は決まったらしい。
私の背をさすりながら抱き起こす。
「ソーニャ、涙を拭きなさい」
ハンカチを差し出してくるクラース様。
ふふっ、ふふふふふふっ。
やったわ!!私やったわ!!
クラース様が扇を拾ってくれたのでそれで顔を隠しながら涙を拭う……ほくそ笑みながら。
「クラース様!!」
クリスティーンが喚くが、勝ったのは私だ!!
「ストレームホルム嬢、すまない。私の婚約者が何か気分を害する様な振る舞いをしてしまった事、代わりに重ねて詫びよう。……すまない。二人の間に何か行き違いがあったようだ。ソーニャは誤解されやすいが、根は悪い娘ではないんだ。悪く取らないでほしい」
クラース様が私の手を取って言う。