第4章 【悲報】演劇部ワイ、咽び泣く
ほら、よくあるあれよ、ヒロインをいじめた悪役令嬢がやられる奴。
それも婚約者のクラース様に。
嗚呼、最近何だか態度が冷たくなっていって、今日だって話しかけても生返事だったのはこの所為だったのね―――。
と、私のソーニャの部分が納得した。
だけど、私、もソーニャも怯んでいない。
ワッと泣き伏す。
「酷いッ」
そして叫ぶ―――。
私はソーニャの記憶を覗く事が出来た。
―――ソーニャは確かにちょっとした嫌がらせをしている。
靴をクリスティーンの背では届かない場所に置いたり。
(取り巻きの男性が取ってくれてしまった)
教科書を窓から捨てたり。
(偶々通りがかった取り巻きが拾ってしまった)
机に『バカ』と書いたり。
(すぐ取り巻きに消されてしまった)
ソーニャ、我ながらショボイわ。
もっと体育の時間に制服を隠すとか教科書だってビリビリにする位しなさいよ。