第13章 天翔る悪役令嬢
私とグスタフ様がクリステル侯爵令嬢主催のダンスパーティーに招待される。
そこで決行する気なのね。
当日―――相変わらずグスタフ様は何回目か分からないため息をついている。
会場に着いて、目一杯着飾った私をグスタフ様がエスコートしてくださった。
そして今日の主役、クリステル侯爵令嬢にご挨拶に行く。
「フレーリン侯爵令嬢、本日はお招きにあずかり恐悦至極に存じます」
グスタフ様と共に一礼する。
クリステル嬢の隣にはユーリウス様。
「それで本日二人を呼んだ訳ですけれど、」
クリステル様がそう切り出した時―――、
ビーッビーッビーッと外から警報が鳴り響き、私達の付けている時計も同じ様に音を発した。
「ティ」
「ユリ」
頷きあって私達は会場を駆け出す。
「ユーリウス様」
「ティナ」
背後から私達の婚約者が叫んでいたがそれ所ではない。
私達の時計が鳴ったという事は出撃命令が下ったという事だ。
外に出るともう迎えのモービルが来ている。
それで第一庁舎に赴く。