第2章 新しい生活
すっかり暖かくなった4月。
青い空に薄ピンク色の桜の花びらが舞い散る春の日。
まだ真新しい白のセーラー服にクリーム色のカーディガンを身に纏った空色の髪の少女──黒子結菜は、誠凛高校の門を潜る。
一歩中に踏み入れると、流石は4月だとでも言うべきか激しい部活動勧誘が行われていた。
「ラグビー興味ない??」
「日本人なら野球でしょー!!」
「水泳!!チョー気持ちいいよ!!」
誠凛高校は新設2年目の学校。
3月まで一学年しかなかったこの学校では、どこの部も人が足りていないのだろう。
どこの部も必死に新入生たちに声をかけている。
結菜はカバンから水色のイヤホンを取り出して耳につける。
スマホを軽く操作して曲を流すと、人の隙間を縫うように歩き出す。
周りを見れば、新入生たちは一歩進むたびに何処かしらの勧誘を受けているが、結菜は誰にも気づかれることなく、校舎へと進んで行く。
しかし、途中でふと足を止めた。
その視線の先に見えるのは人混みの奥にある「男子バスケットボール部」と書かれた紙のあるブース。