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ロドスの日常[方舟]

第25章 いつメンにグレイがやって来た!


「こんにちは! レオンハルトさんが別の任務に出たとのことで、代わりにグレイが来ました! 今日からしばらくよろしくお願いしますっ」
 私たちいつメンと呼ばれるようになった戦隊に、随分と初々しいオペレーターがやって来た。
「よろしくお願いします、グレイ。私はチューバイです」
 私は真っ先に挨拶を返した。私はここの戦隊の隊長ではないのだが、ソーンズはあの通りあまり人とは喋らないので、何かしらでオペレーターたちとコミュニケーションを取るのは自然と私の役目となっていた。
「チューバイさんですね! お話は聞いていました!」
 と快活に話すグレイという名のペッローは人当たりが良さそうに見えた。今日は挨拶だけなので、私はある程度皆を紹介しようと思った。
「では、隊長たちの紹介をしますね」と私は外勤任務出発前の待機室にいるソーンズへ向かった。「彼はソーンズです。彼はおおよそ前線を切ってくれていて、毒を使いこなす剣士です。私たちに毒を掛けることはないでしょうが、彼の戦った跡には毒液が散らばっているので、足元に気をつけるようにして下さい」
「分かりましたっ。よろしくお願いします、ソーンズさん!」
 グレイは元気に挨拶をしたが、ソーンズはちらりと目配せをしただけで武器のメンテナンスを続けていた。彼はあまり人に愛想を振り撒く人物ではないので、次のメンバーを紹介しようと私がグレイを呼び掛けて、ソーンズが立ち上がった。
「よろしく、グレイ」
 いつもしている手袋を外し、ソーンズはグレイに向かって手を差し出したのだ。これは珍しいのではと私は心の密かでそう思ったが何も言わず、グレイと握手をしたソーンズを見守った。するとグレイがソーンズを見上げて、
「ソーンズさんも背が高いですね〜。僕はいつになったら背が伸びるかな……」
 と呟いていた。
 そのことについてソーンズは言及することはなく、またそこに座り込んで武器のメンテナンスを続ける。グレイはまだ若いから、もう少ししたら私の身長だって抜かすのかもしれない。
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