第22章 モフモフ尻尾の誘惑
何か、柔らかく温かいものに包まれている気がする。
あ、ここは雲の中だったのか。雲ってこんなに柔らかくて優しいんだなぁ……もっとモフモフしていたい……あれ、待って雲〜!
「うーん……」
「あら、起こしてしまったでしょうか」
声が聞こえ、雲から逃げられるという悪夢から目覚めた私。でもちょっと待って、私の足に温かい何かがある……。
ちらりと目だけ動かせば、今日の秘書であるソーンズが向かいのソファに座って何かを読み耽っていた。ソーンズがいたのに私はこんなところでうたた寝したのか、と体を起こそうとして何かに抑えつけられた。
「もう少し寝ていませんか? ドクター?」
「プラマニクス……っ?」
私の眼前にプラマニクスの困ったような顔。え、なんで?? そこにいるソーンズに助けを求めるように目を向けるがちっともこちらを気にする様子はない。