第17章 雲丹
後日。また別の用事でソーンズの研究室に訪れると、ウニと勝手に名付けたあの海洋生物は、まだ水槽で生き続けていた。私は驚いてソーンズに聞いてみると、珍しくすぐに返事があった。
「お前が気に入った様子だから生かしてある」
「あ、ああ……それはありがとう?」
「その横にあるのがウニの餌だ。まだ与えていない」
ん? ウニ……?
「え、ウニって……」
「お前が名付けたんだろ。ちゃんと最後まで面倒を見ろ」
ウニは今も、ソーンズの研究室の片隅で生きている。いつも爆発しているソーンズの隣でどう生きているのかは、今も謎である。
おしまい