第14章 いつメン
私たちを遠巻きで見守っているオペレーターたちがいるのには気づいていた。恐らく、彼ら隊長たちも気づいているのだろうが、あまり気にする面子でもない。
「ねぇみんな! ジェシカとスズランが作ってくれたスープが出来たよ!」
とテンニンカが近づいてきて私たちに配膳をしてくれる。私は丁寧にその器を受け取った。
「ありがとうございます、テンニンカ」
「どーってことないよ、チューバイ♪」
テンニンカはいつも通り元気を取り柄にしたオペレーターだ。彼女がみんなの士気を高めるのもよく分かる。
「ほら、ソーンズもしっかり食べるんだよ!」
「ああ」
とテンニンカに言われているのは今回の作戦の隊長、ソーンズだ。ソーンズはロドスでは研究室に引きこもって何日も食事をしていないイメージがあるが、やはり普段はあまり食べていないのだろうか。
「はい、レッドにフリントの分もどーぞ!」
「ありがとう」
「ありがとう、テンニンカ」
レッドとフリントは、いつも戦闘の先陣を切ってくれる頼りになる二人である。あ、今フリントがテンニンカに花を渡しているな。フリントは特に、テンニンカと仲がいいみたいだ。
「アレーンくんのもどーぞ」
「どーも」
この作戦の小隊長の一人であるアレーンも、私たちとはコミュニケーションに問題はなさそうである。ドクターにアレーンとのコミュニケーションに気をつけろと言われているが、気になった点は今のところない。
「ねぇねぇ、俺の分は?」
「だいじょーぶ! みんなの分あるからちゃんと待ってて!」
あのせっかちそうに見えるレオンハルトも、なかなかの切れ者である。今回の作戦は彼なしでは成功は難しいかもしれないものばかりだ。皆が頼りにしている術師であり、私たちの戦隊では大事な天災トランスポーターでもある。