第5章 癒しの尻尾
それに、私のこの話はここだけでなく、アーミヤが噂の真意をみんなに伝えたらしい。それがかえって執務室に一時行列を作ったのだ。ならば私も、僕もと、私の手から頭を撫でて欲しいオペレーターたちが執務室にやって来たからだ。
おかげで事務作業は全く手につかず、もれなくケルシーには怒られた。そしてルールが設けられた。頭を撫でるのはドクターの秘書になった時、またはロドス艦内ですれ違った時などにしてもらう、と。
そうして私のひとときの平和と癒しは、均衡を持って日々として流れていった。いつかこのセラピーが、テラ中にも広がりますようにと、祈りながら。
おしまい