第33章 もしも現パロの世界なら
「もしも現パロの世界なら、ジェイはそこでも料理人をやってるだろうなぁ〜」
「はぁ……」
ある日のことだった。秘書の任命を引き受けたんで執務室に来て色々と書類作業を手伝っていると、大将が急にそんなことを言い出した。
急に言われたものだから俺はつい変な声を出してしまったが、大将はそんなことは気にしていないのか、スラスラと次の話を続けた。
「現パロの世界でもさ、ソーンズは何かしらの研究者とかやってて毎回問題起こしていそうだよね」
と大将は言いながらようやく俺と目が合った。きっと俺は、何も理解していないみたいな顔をしていただろう。
「あ、ごめんごめん、急に。最近、イースチナから本を借りてさ、休憩ついでに読んでたらついハマっちゃって」と言ってドクターは一つの本を手に取った。「この本が面白くてさ、ずっとずっと遠い未来では、戦争も鉱石病もない豊かで平和な世界になっていて、みんなが平等に学校に通ったり、自由な職場が選べたりする世界のお話なんだよ」
「それは、いい話っすね」
ドクターやこのロドスが目指している未来の世界だ、と思いながら俺が相槌を打つと、ドクターは俺がその話に興味があると思ったのか、楽しそうに話を続けた。