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ロドスの日常[方舟]

第31章 いつメン2


「あら、よろしくお願いします、テンニンカさん。こんなに小さいのに、テンニンカさんも作戦に参加するメンバーの一人なのかしら?」
「彼女は……」
「こう見えて成人してるんだからね! ドゥリンのテンニンカだよ!」
 驚くロサに私が説明する間もなく、テンニンカが自ら自分の話をし出す。得意気に胸を張るテンニンカに、ロサはくすりと笑った。
「それは失礼したわね、テンニンカさん。今回はよろしくお願いするわね」
「うん! 大将軍にどーんっと任せて!」
 ロサとテンニンカの関係も良さそうである。ただ、テンニンカの言う「大将軍」が隊長とどう違うのかとロサが疑問を持ち始めたのでこれもあとで説明しなくては。
「ねぇねぇ、俺の紹介はいつしてくれるのかな?」
 と積極的にコミュニケーションを取ってきたのはレオンハルトだ。レオンハルトは誰にでもいつも印象のよい笑顔を向けている、爽やかな男だ。
「紹介しますね、ロサ。こちらは、レオンハルトです」
「ロサです! よろしくお願いします!」
 私が紹介するなり、また丁寧に挨拶を返すロサ。誰にでも笑顔で挨拶をするロサは、本当に見ていて心地がいい人である。
「そんな堅くならなくても大丈夫! なんかあったら、そこの隊長がなんとかするから!」
 とレオンハルトはソーンズへと目配せをした。レオンハルトの唐突な話の振り方に、ソーンズは視線だけ返して武器を置いた。
「望んで隊長になった訳ではないがな」
 そうソーンズは呟いたが、それで気を悪くするレオンハルトではなかった。
「俺たちの隊長はあんな感じだけど、根は本当に優しい人なんだ。気楽に頑張ろ、ね?」
 レオンハルトの饒舌ぶりは時に余計なことを口にすることもあるが、それは戦場で神経を尖らせてばかりの私たちを幾らか和ませているようにも聞こえる。それは、彼なりのリラックスの与え方なのだと思うと、私はレオンハルトの振る舞いを完全に否定は出来ないでいた。
「はい、頑張るわね!」
 ロサもレオンハルトのことを悪くは思っていなさそうだ。
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