第31章 いつメン2
「次に、レッドを紹介しますね……レッド、いますか?」
レッドは待機所でも姿をどこかに隠していることが多かった。今回は、面倒見のいいフリントがいないからだろうか。
「レッド、ここにいる」
天井から声がして見上げると、レッドが梁に座っていた。レッドの隣にはヴァンデラがいる。レッドは寂しがり屋なところがあり、ヴァンデラの尾を撫でていた。ヴァンデラはヴァンデラで尾に触られることは気にしていないようで、頭にある花をいつまでも調整していた。
「あちらの赤い格好をしているのがレッドで、隣にいるのがヴァンデラです」
変わった形での紹介となったが、私が見る限りロサはあまり動揺している様子はなく、爽やかな笑顔は崩れなかった。
「今日はよろしくお願いするわね、レッドさん! ヴァンデラさん!」
レッドは小さく頷き、ヴァンデラは話を聞いているのかいないのか分からないまま、はらりと花を床に落としてしまっていた。
「あ、花が落ちてしまいました……」
「こちらかしら?」
ロサが落ちた花を拾うと、ヴァンデラはようやくこちらに下りて来た。ありがとうございます〜、とおっとりとした口調でお礼を言いながらこちらの方はどなたですかと聞いてきたので、私はもう一度、ヴァンデラにロサについて紹介した。
「よろしくお願いするわね、ヴァンデラさん!」
「はい〜」
ロサは、突然上から降りて来たヴァンデラに臆することなく挨拶を交わしている。ヴァンデラとも仲良くしてくれそうな予感だ。