第31章 いつメン2
「今回の任務でお世話になります、ロサです! 皆さん、よろしくお願いするわね」
ある日のこと。重量級の敵を相手にする任務で、私たちいつメンにやって来たのはロサという女性だった。
まだどこか初々しさが残るような女性だった。あの口調や振る舞いは戦士や狙撃手というよりは……貴族のようだ。
「よろしくお願いします、ロサ。私はチューバイです」
隊長ではないが、私はまた戦隊紹介の役を自然と買って出ていた。ソーンズはあんな感じだし、私がこのように動いていても何か言ったことはないから、大丈夫だろうと考えている。
「チューバイさん、よろしくお願いします!」
とても清々しい笑顔で話す人だった。彼女がここにいなければ、きっともっと別の仕事を受け持って多くの人脈を広げていただろう。そう思ってしまうくらいには、彼女の笑顔は心から愛想の良さを感じていたのだ。
「まずは、隊長のソーンズです。今回の作戦ではサリアと共に私たちの盾の役割を果たしてくれます」
と私がソーンズを紹介すると、ロサの顔から驚きと尊敬の眼差しが現れた。
「あなたがソーンズさんなのね! 作戦記録はよく見ていたわ……こういうのはあまり慣れていなくて、足を引っ張らないように頑張るわね!」
「ああ」
ロサからの言葉に、ソーンズは短い相槌しか打たなかった。今は武器の手入れをしているから、集中しているのだろう。
「私、何か失礼なことを言ったかしら……」
「大丈夫だと思います。彼はあまり、細かいことが気にならないだけだと思うので」
ロサが不安がったので、私は失礼にならないようにそう言ってソーンズの様子を伺った。こちらと一瞬目は合ったが、訂正することもなかったので、私はそれを肯定と判断した。