第30章 守護神の秘書
もしかして、とそっと足音を立てずにソファに近づくと、かくんとエアースカーペの首が傾いては戻り、また傾いては戻っている。
私は出来るだけ急いでブランケットを手に取ってエアースカーペに掛けてあげた。エアースカーペはずっと外勤任務に出ていたので相当疲れていたはず。だけど普通に休日を与えるだけだと、大抵ロドスの巡回をしていたり誰かの荷物運びを助けたりとなぜか休まないのが悩みの種だった。
そんな中知ったのは、私が静かに書類作業をしているとエアースカーペがいつの間にかうたた寝をすることだった。確かその時も枝豆を食べた後だった。食べたあとは血糖値が上がり、疲れた体は眠気を誘ったことだろう。彼が気付け薬の代わりに枝豆を齧っていることは知っていたから、人肌程度に温かい枝豆にしたのも私の計算の内だった。
やっと眠ったな、と思いながら私はデスクに戻る。今日は人避けをしているし、エアースカーペにはゆっくりここで眠っていて欲しい。それに……エアースの寝息って心地いいから私もリラックス出来る。エアースのうたた寝している時って、周りの空気がゆっくり流れている感じがするんだよな。
私も一区切り作業を終えて伸びをした。私も少し眠ろうかな……少しだけ……。
その内ガッツリ眠ってしまって「おい、起きろ」とエアースに起こされるのは、あとの話。
おしまい