第2章 かとる
でも昼休みも後少し。
もう『いっぷ』の申し出はないかなあ、とため息をつく。
そういえばお昼ご飯がまだだ。
昼休みが始まってすぐ『いっぷ』があったからウキウキして忘れてしまっていた。
食堂に行ってうどんをずるずる♡『いっぷ』の余韻に浸りながらすすっていると隣に誰かが座る。
「あら、馨、ごきげんよう」
座ったのは隣のクラスの『かとる』―――黛馨(まゆずみかおる)だ。
顔色が悪いし、お盆に乗っているのはご飯とお味噌汁だけだ。お味噌汁をご飯にかけねこまんまにしていた。
「疲れた……」
重々しい声で馨は言う。
「いっぷ?」
聞けばスプーンでねこまんまを食べながら馨は頷く。