第7章 いっぷ・黒
ザーメンとは違う鉄の様な生臭さ―――。
はふっと息をつく。鼻からぷわっとちょうちんが出た。
「天原ちゃん」
有沙はがに股で立ち上がって私の鼻ちょうちんをワンピースでふく。
そしてがに股のまま、ワンピースを着る。
「こんなもんか」
ぼたっと有沙の足元にピンクの液体が垂れる。
白い足をたれていくそれはなんだか妙に艶めかしく美しい。
―――何だか胸がざわめく。
いけないモノを見ているような……でも妙に目が離せない。
「みんなー!楽しんでー!」
有沙はシャキッと立って言って、何か股にはさまっている様な感じで部屋を出ていってしまう。
『美希』
呼ばれて、私は『しろ』に戻る。
そして又『いっぷ』に沈んでいく―――。