第1章 私立聖ルチア学園
学園内では、学園内通貨があり、その額で序列が決まっていた。
序列を上げる為にはギャンブルで勝ち、持ち金を増やすしかないし、負ければ手持ちが減り序列は下がる。
私には序列を上げる気は無かった。
だって『かとる』になれば特典がある。
初めてのギャンブルはハイアンドロー。
ああ思い出しても胸が高鳴る。
一年の最初の一ヶ月だけは序列が存在しないが、二ヶ月目からは最初に稼いだ額で序列が決まるのだ。
私を殺しそうな目で視る相手の女生徒―――、
この学園に入る事=ギャンブルに自信があるという事だ。
私を見た視線は殺さんばかりに鋭く―――私ははしたなく発情してしまう。
私はMだ。そんな目で視られてしまったらゾクゾクしてしまうじゃない。
運は私に味方した。ボロ負け―――正にそんな状態で。
私は持ち金全てを賭けていたから、手持ち0!
勿論借りたりするのは出来たけど、私はそんな事をする訳がない。