第22章 アルタ先輩の推理日記
夏休みも後半戦に入り寮には帰省を終えた生徒達が戻り始めていた。
私も実家だとぐだぐだしてしまうから寮へ帰ってきて、残り少ない課題をこつこつと片付ける毎日だ。
そんなある日―――、
『遊ぼう、明日』。
単純明快なメッセージ。
だが、断る余地等ない。
アルタ先輩からのメッセージだからだ。
まだ渡せていない、プリンまんのキーホルダーの入った袋をテーブルの端から手繰り寄せる。
有沙はちまちゃんが好きみたいだし、馨も一緒につける事に異論は唱えなかった。
真人もちんちらを選んだし嫌いじゃないんだろう。
―――でもアルタ先輩は?
やっぱりお菓子とかの方が良かったかな?
そんな事を考えていると、
『忙しい?』。
又メッセージが来る。
急いでスマホを持ち返信した。
『大丈夫です。行けます。』。