第16章 N氏の話を信じるな。
「那由太……我の事が好きなのだろう?」
那由太は目をつむり、涙をうかべる。
体中が熱い。知られていた。
知られてしまった。
「とがめてはおらぬ」
成部の指が涙をすくう。
「で、でもあんたには、婚約者とかいるんでしょう?」
『だから』と、言い訳をする。
「まあ、いるが、な。あっちはあっちで楽しんでおる」
パジャマをずらし、尻肉をもにもにもみながら成部は言う。
『あっちはあっちで楽しんでいる』?
どういう意味だろうか?
「あれも女と今頃楽しんでいる、だから那由太よ」
又指がアヌスを撫でる。
それに引いてきた熱が又あがってきた。
「女って、……」
「あれはなぁ、本来女しか愛せない女なのだ」
言いながら、成部は那由太を抱き寄せ、口付ける。
唇は、二度、三度と合わさり、たまらなくなったとばかりに舌を絡めた。