第16章 N氏の話を信じるな。
もう時間は夜だ。
昼間に海水浴場に行ったから体は程良く疲れていた。
室内には那由太と成部がいる。
ベッドはキングサイズのが一つ。
那由太は少し難色を示したが、成部が押し切ってしまった。
「はぁ?本気ですか?」
広いベッドルームに那由太の声が響く。
「本気だが?何だ、なにか都合が悪いのか?」
成部は飄々と応じる。
二人は昼は成部が行ってみたいとねだった海水浴場に行き、ナンパされまくり、自分が行きたいと言ったのに成部は不機嫌になったが、海の家で食べるかき氷にすっかり上機嫌になり、夕飯をたらふく食べ一緒に湯浴みをして更に上機嫌になり、今だ。
明日は近くで花火大会があるとかで、それを見る特等席を押さえたからと二人で見に行く予定で。
こう言うと二人は普通に夏休みを楽しんでいる様であった。
だが問題は、今だ。
『寝る時は裸で上に乗ってくれ』
事も無気に成部は言う。
そうして冒頭にもどる。