第12章 やまおり(公式戦after.)
きっかけなんて些細なものだ。
クラスで初めて目が合って、彼女が優しく微笑んでくれた。
その笑顔が幼気な性欲に塗りつぶされるのに耐えられなくて、『かとる』落ちした彼女を救おうと多少の無理を通し、ランカーに成って『独占権』を買って―――。
否。それだけではない。
自分の欲得もあった。
何しろ『しろ』にする様な事は大体している。
一緒に過ごして更に好きになって―――、手放せなくなって。
『かとる』に入れ込んでも身を滅ぼすだけだと理解っていたのに。
傍にいればいる程、心中とは裏腹な関係になっていくという事も理解っていて。
―――だが、今、全力で守ったまだ、淑女と呼ぶには幼い、可愛い少女が腕の中に在り。
鈴鹿は困った様に頭を揺らす。
が、意を決したとばかりに顔を上向けた。
目をつぶる。
流石に、軽磨をそれを又問いただしたりはしない。
彼女の頬をつつみ、唇を重ねた。
すぐ離れようとする唇を今度は彼女から引き寄せる。
唇は離れるが舌が絡み又口がくっつく。
貪る様なキスは何分続いただろうか。
赤く色づいた唇が離れた。