第11章 公式戦
そして立ち上がればジャケットが落ち―――、
「キャーッ!!痴漢!!」
最後に目を覚ました波多野様が身を起こした事であらわな下半身をみせてしまい、悲鳴をあげられる。
「ち、ちがっ、ちかんじゃなっ」
急いで脱がされたパンツとスラックスを拾う蜜美様。
「蜜美様……パンツは禁則事項ですよ」
有城様が冷たく言い放つ。
「ええぃ、五月蝿い。あんな汚い雌奴隷に触れられて我がグルーミングをせねばならぬ。失礼する」
成部様は蜜美様を軽々と横抱きにして退場していく。
蜜美様は落とされたくないのか正に借りてきた猫の様におとなしくしていた。
「……何?え?にあるちゃん?」
波多野様が顔を真っ赤にして残される。
「るかち」
千波様が立ち上がり、波多野様の側まで行く。
そして頭を撫でた。
「よく頑張ってくれたし」
言われた波多野様は更に赤くなって、手で顔をかくす。
その指のすき間から涙がこぼれる。
「にあるちゃんは頑張ってくれたのに、勝たせてあげれなくてごめんなさい」
波多野様は『うっうっ』としゃくりあげた。
そんな波多野様を千波様は尚も撫でくり回す。
そして、白い額にキスをする。
「じゃあ帰ったら徹夜ゲームだし」
「うん」
『ほんじゃま、あーしらも帰らせてもらうし』
とふいて、千波様達も退室していく。
御厨お姉様は静かにお茶を飲んでいた。