第11章 公式戦
「さあ、ショーダウンね」
「これじゃあ全員オールインだし」
御厨お姉様と千波様が又視線をかわしバチバチ火花をちらす。
「じゃあ全員でせーのっ」
軽磨様が言って、全員がカードを投げ出す。
成部様は、ツーペア。
軽磨様は、スリーカード。
千波様は、フルハウス。
―――御厨お姉様は?
御厨お姉様の白い指がカードをはらっと弾く。
開いたカードは―――。
「はあ?」
千波様が口を開く。
Kのフォーカード。
四枚で揃えるなら最強の手だ。
「フルハウスだぞ?」
「ええ、貴女もすごかった。でも私の方が強かったってだけ」
御厨お姉様が弾んだ声で言う。
千波様は余程ショックだったらしい。
椅子の上に体育座りをして頭をかかえた。
「『分かって』たのに」
多分、千波様は何かやらかしてた。
否、みんな何かしらやらかしていただろう。
でもお姉様はやりきったのだ。