第11章 公式戦
―――そして決戦の日が来た。
『公式戦』―――お金を司る生徒会が期末に開催する誰でも参加可能なギャンブル大会。
主にマトモな勝負が出来ない『かとる』が参加する。
後は、公式戦に参加する事で負債は全て生徒会がまとめてくれた。
何人かに借金をしていた場合、それが生徒会に一本化される。
生徒会は在学している限り、きっちり取り立てを行う。
『権利証』等で、だ。その為の駒は多い方が良い。
この学園にはそれなりの立場の子女がいる。
使い道はいくらでもあるのだ。
噂でしかないが、在学中の借金で首が回らなくなって……ナンテ話は一年生にすらまことしやかに囁かれていた。
私は『かとる』でいる為にクラス内外で借金をしている。
だが、それをそのままにしておく訳にもいかない。
アルタ先輩が話した通り、借金で『人生』すら買われてしまう。
私の負債の何割かは『生徒会』が持っていた。
だから初めての『公式戦』には参加しようと思っていて。
そのパートナーを御厨お姉様にお願いした事に理由は余り無い。
御厨お姉様は『権利』を行使したという話は聞かないし、荒稼ぎはしてない様子だから、手の内がバレていないかな、と思ったのだ。