第29章 おまけ編
〜メーディ視点〜
「で、どうだった? おんりーちゃんの感想」
「どうだったって……お兄ちゃんが言った通り、気の利く本当にいい好青年って感じだったよ」
「やっぱり? メーディならそう言うと思ったんだよな〜」
「ちょっと、二人の時はその名前で呼ばないでよ……」
「ああ、ごめんごめん……」
「でも」
「ん?」
「おんりーさん、きっとお兄ちゃんのこと好きだよ。私が何話しても愛想笑いって感じなのに、お兄ちゃんの話となったら食い入るように聞いちゃってさ〜。目がキラキラしてるっていうか? ……絶対ファンだからってだけであんな目はしないよ」
「いやいやまさか! 何より男同士なんて……」
「今は多様性の時代だよ? お兄ちゃん、思い切ってアタックしちゃいなよ! おんりーさんのこと、好きなんでしょ?」
「いや、俺はいいんだって……」
「だったらなんで私に紹介したの? 本当は、私と付き合うことになっておんりーさんと会う回数増えたらいいなとかって思っていたんじゃない?」
「そ、それは……」
「はいはい、分かったならさっさとまた会いに行ってよね! 私は別の男捕まえるから! ほら、おんりーさんに連絡して!」
「うーん……」
あのあとも、まだウジウジしているお兄ちゃんを見ていてじれったかったけど、おんりーさんから連絡が来た途端ウキウキしちゃってさ。明らかに様子が変だからすぐ分かったよ。
お兄ちゃん、おんりーさんに惚れちゃったんだろなって。
私の出来ることはそれくらいだけだったけど、どうやら本当に上手くいったみたいで妹として誇らしかった。
末永くお幸せに! お兄ちゃん♪
おしまい