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黄色い夜景の歌

第2章 ミーティング


「へぇ、歌みた?」
 俺が歌みたを出すとメンバー内だけで話し終えると、ぼんさんが最初に切り出した。
「はい。ジニアさんのキラキララを歌う予定です」
「ああ、聴いたことある!」
 俺が応えると、おらふくんが声をあげた。やっぱり有名な歌なんだ、と改めてジニアのすごさを感じる。するとMENが話し出した。
「おんりー、ジニアさんの歌好きだもんな」
 前に歌った歌もジニアの歌だったし、と言っているMENに俺が通話だというのに一人で勝手に頷いていると、ドズルさんがこんなことを言ってきた。
「ぼんさん、なんの歌か全然知らないんでしょ」
「いや……まぁ知らないな」
 ぼんさんがジニアの歌を知らないのは俺もよく知っていたことだ。ぼんさんからしたら、ジニアは最近の歌だろうな。
「おんりー言ってたよな〜、ジニアさんのカイトさんが好きなんよな」
「なっ、それは言わなくても」
 おらふくんの不意打ちに俺は慌てたが、ドズルさんとMENはケラケラ笑った。
「いいじゃん、おんりー。好きなものがあることはいいことだよ」
「別に今は配信もしていないしな」
 とドズルさんとMENは言ったが、違うのだ。このメンバーにこそ知られたくなかったのだ。あとで弄られそうだし、ずっとネタにされそうだし……ちょっと恥ずかしいし。
「と、とにかく、そういうことなんで、スクランブルまで秘密にしてくださいね、ぼんさん」
「な、なんで俺に言うのよ?」
 恥ずかしい気持ちを隠すように俺はぼんさんにわざと釘を刺す。途端に騒がしくなる雑談に、俺も笑ってみんなの輪に入ったら、カイトさんの話は自然と流れていった。
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