第2章 〈天竜人編┃10話完結〉子供時代
〈第1章 ┃10/10話〉【10 最後の準備】1/2P
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私の望み(若さを保つ)を叶えてくれる《悪魔の実》は希望に沿う物を[海軍]の人達がすぐに探してくれて、無事に手に入れることができた。それで念願の《若さを維持できる能力者》になる宿願を果たす。
それは《ピチピチの実》と言って、時間経過で成長した物、更には老化や退化した物も任意の段階に戻せると言った能力がある。
恐らく[ワノ国編]のしのぶさん所持の《ジュクジュク》の逆の能力を持ったヤツな感じだ。時間論には反するけど四の五のは言ってられない。基本的は必要に応じてしか使うつもりもないので、肉体や精神への不都合な負担があってもべつに構わないと思う。
重ねて喜ばしいのは、これからの流れや私の事情を父上が家族にちゃんと個別に話してくれたこと。みんなが認知した段階で家族会議も何度も行われた。
なので、やっと事前の反対意見や不安点をみんなが吐き出せて、理解し合い、向き合い、小さなことでも相談して検討できるようになり、家族全員で取り組めるようになる。
ドフィー兄上もちゃんと納得している形で、原作のストーリーとは全然違う[脱天竜人]を実行できるのだからすごい。
(やっぱりボタンをかけ違えてただけ……)
すぐに〈変化〉を見せてくれる人達が嬉しくて嬉しくて堪らないほど。
(マジでよかった。それにしてもドフィー兄上が事前に折れるなんて思わなかったな。やっぱり父上の頼りがいがすごく違うし、妹がいるのも違うのかも知れない)
ニヤけてしまう口角と頬を抑えられないので、こっそり一人で声に出さずに笑う。
(多くを許せない[極悪非道]な部分も確かにあるけれど、それだって裏切られたから。彼は仲間を[ドンキホーテファミリー]とか言って明かに家族を意識しているのを作ってた。つまりは、本当はこの家族でいたかったのかも。言葉にし難い気持ちがあるのは確か…)
とか、都合のいいことを考えてみる。