【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第3章 【R指定】後宮の外に毒の華が咲く③
「っんっ…瑞……あぁっ…。」
月娘が甘い声を出しながら、足を広げて更に壬氏を受け入れようとする。
「っ月娘…ちょっと待ってっ。」
月娘の足が壬氏の腰に巻きついて、壬氏は思わず月娘を抱き締めた。
「………瑞……。」
「…………………。」
ぎゅっと力を込めて押し潰される様に抱き締められて、月娘は苦しくて壬氏の名前を呼んだ。
動きたくても動けない。
しばらく壬氏は、自身の昂りが治るまで月娘を抱き締めていた。
「……俺の身体がこんなになるのは月娘だけだ…。」
「………………。」
耳元で壬氏の低い心地よい声が聞こえてきた。
その声が自分に求愛をしているのが分かるから、月娘は腕を伸ばして彼の背中を抱き締めた。
後宮でどんなに美しい華を見ても、壬氏の身体は反応しない。
自制が効かないのはこの毒の華にだけだ。
そしてこの美しい毒の華が誰よりも愛おしい。
「…瑞……いっぱい愛して……。」
甘い声の中に、少しだけ涙声が混じって聞こえた。