• テキストサイズ

【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第3章 【R指定】後宮の外に毒の華が咲く③


だからもう。

皇室に入るなんて夢物語は諦めて。

薬店に嫁ぐ位が丁度良い。




そしたら生家の業も。彼への気持ちも全て。

全て捨てて。ただ目を瞑って生きていきたい。




だけど貴方は、目を瞑っても眩しいくらいに、いつも私の前に現れる。






ーー

ーーー




久しぶりに訪れる瑞月の宮。

玉座に座る彼を目にして、下座に座る本当の自分達の立ち位置。

軽く頭を下げ、挨拶をするのは月娘の方だ。




「枋家が挨拶に参りました。」

呼び付けられても、腰を折るのは月娘の方だ。




部屋の中には瑞月と月娘しか居なく。

部屋の外には気配はしないが、護衛が潜んでいる事は分かった。




「月娘。」

瑞月はすぐに玉座から降りて月娘に近寄った。




月娘はもう分かっている。

この宮で会う時は、他人のフリなどしない、瑞月と月娘として会うのだ。



グッと壬氏の手が、月娘の両腕に食い込んだ。
/ 408ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp