【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第18章 最終章
月娘からそう言われると、夏潤はまるで褒め言葉の様に笑って見せた。
この瞬間が2人の最後の時間になり。
月娘が思い浮かべたのは、まだ壬氏と出会う前に3人で笑い合ったていた記憶だった。
なんでこんな関係になってしまったのかと考えても。
答えは出なかった。
ハッキリと分かっている事は、もうお互いその姿を見る事も無いと言う事だった。
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「…別れは済んだか?」
月娘が夏潤に会いに行った事は、すぐに壬氏に伝わっていた。
隠すつもりも無かったが、月娘が意外だったのは、壬氏に怒りは無く、少しの憐憫が見れたからだ。
「…ええ。これで何もかも終わりました…。」
壬氏の顔を見る事なく月娘は言った。
「まだ始まったばかりだろう。」
そんな月娘の手を取って、壬氏は月娘の手の甲にキスをした。
そして月娘の目を真っ直ぐに見つめた。
「ここから俺達には様々な策略に立ち向かう事になるだろう。」