【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第17章 【R18】毒の華は華麗に咲く②
気付け薬と聞いて、今度は壬氏の顔が青くなった。
月娘が気付け薬を飲む時は、いつも壬氏が原因だからだ。
「……一刻半前に……後宮からの帰りの馬車の中で……。」
僑香の言葉を聞いて壬氏の顔が青くなった。
月娘が気付け薬を飲んだ原因は。
彼の執務室での出来事のせいだとすぐに分かったから。
「……月娘…ごめん……。」
壬氏はぎゅっと月娘の手を握った。
「高侖殿。作る解毒薬が決まりました。」
猫猫は紙に文字を書くと高侖に渡した。
彼が今日薬材を持って来てくれてよかった。
「月娘様は気付け薬に使われている薬材と、茉莉花茶に入っていた大棗で薬物中毒を起こしたんです。」
「体の中で毒物が作られたと言う事か?」
「どちらかと言うと薬の過剰摂取です。」
高侖が慌てて部屋に戻ると猫猫に解毒薬を渡した。
「体の中の毒物を吐き尽くしたらこの解毒薬を飲ませて下さい。勿論白湯で。」
猫猫は僑香に解毒薬を渡した。