【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第17章 【R18】毒の華は華麗に咲く②
「… 月娘?」
「…お嬢様?」
壬氏と僑香の声に緊張が走った。
その時にカタンと月娘が持っていた茶器が机に落ちた。
「月娘!!!」
壬氏が慌てて立ち上がると、月娘は喉を抑えてそのまま椅子から滑り落ちた。
「お嬢様!!」
壬氏が月娘を抱き上げた時には、月娘は呼吸困難に陥っている様に苦しそうに喉元を抑えていた。
「僑香!!すぐに薬屋を呼べ!!」
ゼィゼィと苦しそうな声が月娘から漏れている。
顔は真っ青になっており、今にも意識を無くしてしまいそうだ。
僑香はすぐに部屋を出て行った。
(何故?!毒か!?)
しかし、同じ茶を飲んだ壬氏には何の症状も無かった。
「月娘!!」
月娘を抱く壬氏の腕に力が入った。
「はぁ…。早く帰りたいです。」
猫猫は手に持っているお宝で早く薬を作りたくて仕方ない。
そんな猫猫を見ながら、高順は呆れた様に笑った。