【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第16章 【R18】毒の華は華麗に咲く
壬氏は日々イライラしていた。
花街で別れてから月娘と会えていなかったからだ。
しばらくは手紙の返事も無く、それこそ月娘の家へ乗り込みそうな勢いだったが。
月娘からの手紙でなんとかそれは抑えた。
月娘からの手紙には、花街の一件で罰を受けてしばらく家から出れないと言う事だった。
朴(ほう)太師が厳しいのは壬氏も知っている。
一度あまりに会えないから直談判しようとした時には、全く相手にされなかった。
「……………💢」
壬氏が苛立ちを募らせた理由は、月娘への懲罰は朴太師では無くて、あの鄭夏潤(チョン・ハユン)が全て決めていると言う事を聞いたからだった。
花街で2人を見た時も、月娘は夏潤をとても気遣っていた。
(月娘が俺に会いに来れないのに、あの男は月娘と共に居るんだ。)
そう考えただけで、壬氏は自分が憤死すると思った。
まぁしかし、壬氏も暇を持て余している訳でも無かった。