【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第15章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜⑥
そしてその行為が月娘を自分から離さない為の行為だと理解していたからだ。
皇太子を退いても、皇室の直系の自分が月娘を抱けば、月娘はもう自分から離れないと。
そんな卑劣な考えがハッキリと壬氏の脳裏に張り付いていた。
壬氏は月娘を離さない為に、そんな行為を実行しようとしていた。
壬氏のキスを受けて、月娘さえ彼がどうしてそんな事をしているのか理解した。
軽く唇を合わせるしかしていなかった少年少女が、初めて情欲を含む様なキスをしているのだ。
「うっ…っ瑞っ!!」
月娘はそんな壬氏を引き離そうと、思い切りその腕で壬氏の胸を押し返した。
壬氏の思い通りにこの身を彼に預ける事なんて出来なかった。
この行為を許してしまえば、もう壬氏から逃れられないと分かっていた。
壬氏は月娘の抵抗を分かって、唇を離した。
そして彼女の顎を手で掴むと、月娘の顔を無理矢理部屋の扉に向けた。