【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第14章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜⑤
国葬は簡素に終わり、皇室は静かに喪に服した。
前帝の葬儀の時に、月娘は壬氏の姿をずっと見ていた。
彼の自分の親に対する葛藤の気持ちは知っていた。
月娘は壬氏の表情を見たかったけど、布を被っている彼の表情を遠くから確認出来る事は無かった。
月娘と壬氏の婚姻の話は、それ以降全く出てこなかった。
壬氏に会いたいと思っても、彼は東宮に居る事も少なく忙しくしている事が月娘にも分かった。
だから、壬氏からの連絡をただ枋(ほう)家で待つしか無かった。
そんな時に、月娘が都で遊び回っていると言う噂がたった。
喪に服さない頭のおかしい女と言われた。
それを言ったのは、前帝の崩御から宮中を忙しいく回っていた父親だった。
月娘は父親の罵倒を聞きながら思った。
ああ…夏潤(ハユン)が戻って来たのか…。
その過程を決定する様に、前帝の崩御の知らせを聞いた夏潤の部隊が都に帰って来た。
「元気にしていたか?俺の可愛子。」