【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第8章 【R指定】花街に毒の花が咲く④
『お2人とも年が近いですし、親睦を深めてはどうですか?』
『嫌だ。』
『やだね。』
『……………。』
高順は東宮の庭で、壬氏と夏潤が初めて顔を合わせた時の事を思い出していた。
そういえば、あの頃から気が合わない2人だった。
(…お2人ともお会いになった事あるのに…。)
どうやら2人の記憶はお互いの顔を排除した様だ。
「…キチンと座って下さい…。」
小猫がその態度にドン引きしてる。
「……壬氏様って月娘様が絡むと態度悪くなりますよね…。」
それは素が出てしまうから…。
「……月娘様の事になると、思い通りにならない事ばかりで腹が立つんだよ…。」
どうやったら月娘の周りの男達を駆除出来るだろうか。
猫猫に強力な殺虫剤でも作ってもらうか。
(まぁ、あの月娘様を思い通りにしようなんて無理だろうな。)
きっと皇弟も、今の壬氏様の様な顔をしているのだろう。
何処にでも咲き誇る毒の華。
猫猫はふと、月娘の流行歌を思い出した。
(私からしたらあの流行歌は……。)