• テキストサイズ

【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第1章 後宮の外に毒の華が咲く


「私の事は月娘様かお嬢様と呼びなさい。壬氏。」

月娘は手に持っていた扇で口元を隠して、目を細めて壬氏に言った。

「………………。」

悔しそうな壬氏の顔を見て、少し固唾を下げた。





彼が後宮入りして壬氏となって。

良かった事と言えば、こうして後宮で会った時は、壬氏より位が高い自分の身分を引き合いに出せる事だろう。




「………お嬢様って歳かね……ボソッ」

「💢」




誰のせいで婚期を逃したのだろうか。

流石に壬氏の言葉に、後ろにいる高順の顔が真っ青になった。

月娘が冷静でいられたのは、その高順の顔を見れたからだ。




「……ご希望なら、すぐに奥様と呼ばせてあげるわよ。」

「何?」

月娘の言葉に、壬氏は顔を青くして身を引いた。

この期に及んで、月娘がまだ壬氏との婚姻を望んでいると思ったのか……。

ナルシストが過ぎて、その勘違いに青筋が立った。

/ 408ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp