【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第7章 【R指定】花街に毒の花が咲く③
この媚薬は、月娘の為に用意したモノだった。
「……そんな私が恋焦がれるほど、瑞月様は私を抱いてくださいました?」
「……実に勿体ない時間を過ごしたモノだな。」
何を今まで我慢していたのだろう…。
覚悟を決めた今は、我慢して月娘と距離を取っていた時間が馬鹿馬鹿しく思えた。
「……ねぇ…瑞……。」
スッと月娘の腕が伸びて、壬氏の首に巻き付いた。
「…実は、猫猫の媚薬なら少し身体が疼くんです…。」
グッと壬氏の身体を抱き寄せて、太ももで壬氏の腰当たりを撫でた。
「はっ……月娘……。」
「身体が暖かくなって、お腹の奥が疼いて……。まるで瑞に抱かれている時みたい…。」
そう言っている月娘の頬は確かに先程より紅潮している。
心なしか吐く息も熱くなった様だった。