• テキストサイズ

【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第6章 【R指定】花街に毒の華が咲く②


頼むから、少しだけ待っていてくれと。

そう縋っても結局は思い通りにならなかった。



「…月娘、俺はお前をー。」

壬氏の声に、少しだけ月娘の腕が反応した。






































































「皇室に迎える。」







壬氏の言葉に月娘は顔を隠した袖の中で目を見開いた。



「………………。」

壬氏が皇室に迎えると言っても、月娘は声を上げなかった。

しばらく、2人の間に沈黙が流れた。



そして、この月娘の反応は、壬氏の思った通りだった。



「…どうした?嬉しくないのか?」

「………………。」

月娘は何かを考える様に袖の中の手を握った。



「………何故ですか?殿下。」

「何故?」



一向に袖から顔を出さない月娘に、壬氏は次第に苛々してきた。

「!!!??」

グイッと腕を掴まれて、月娘はやっとその顔を壬氏の前に見せた。



その月娘の表情を見て、壬氏はハッと笑った。

思った通り、月娘は自分との婚姻を望んでこんな事をした訳じゃ無かった。
/ 408ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp