【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第6章 【R指定】花街に毒の華が咲く②
だけど高順なら、まだ信頼はある。
あの男なら壬氏の命令を聞き、月娘を見ないで彼女を説得して自分の元に連れて来れるだろう。
皇室の壬氏の部屋に。
皇室なら壬氏の土俵だ。
月娘は皇弟の命令なら素直に聞く女だ。
それ以外では絶対に見向きもしないが。
(早くこんな場所から月娘を連れ出して、皇室に連れ帰ろう。)
そして月娘が望みならどんな簪でも、婚約でもなんでもしてやる。
その変わりに、2度と他の男の目に触れさせ無い。
そこまで月娘にしたくなかったが仕方ない。
月娘は壬氏の許せる範疇をとうに超えていた。
ガタンッ!!
「???!!!!」
途端に月娘の部屋で大きな音がした。
「……壬氏様…。」
チラッと壬氏を見ると、彼は驚いたいたが様子を伺っている様だ。
隣の部屋から先程は聞こえなかった大きな声も聞こえてくる。
「…まさか高順が月娘を襲ってるって事はないだろうな…。」
信じられない様な顔をしているが、至って真面目に言っている様だ。