第1章 悪霊がいっぱい!?
うずうず。
2人は何故旧校舎の昇降口にカメラがあるのか、どうしても気になってしまって仕方がない。
「……んー。ん〜〜っ!」
「は、入る?やめとく?」
「は、入ってみよう!結衣がいれば怖くないやい!た、たぶん」
「た、たぶんって……」
ゆっくりと昇降口の扉を開けると、耳障りな『ギィィ』という音が響いてくる。
それが余計に恐怖心を煽ってきた。
「あー。やっぱりカメラだ」
「なあんで、こんなとこにぃ?」
「ねー。えーっ、なにこれぇ。落し物……なわけないしなあ」
「誰がこんな所に置いたんだろ」
結衣と麻衣は不思議そうにしながらカメラを眺め、そして二人がカメラへと触れた時だった。
「誰だ!?」
何処からか鋭い声が飛んできて、2人は体を軽く跳ねさせた。
「あっ、すいませんっ。別にあのっ……!」
驚いた麻衣が靴箱入れに背を当てた瞬間、グラッと靴箱入れが傾いた。
「麻衣!?」
靴箱入れが麻衣に向かって倒れそうになっている。
慌てた結衣が手を伸ばそうとしたが、後ろから腕を引っ張られて後ろへと飛ばされた。
「ぬあ!?」
驚いて変な声をあげれば、黒髪の知らない大人の男性が目の前にいた。
そしてとんでもない音が響き渡った。
「……う、うわ……ひえ」
結衣は後ろへと飛ばされた衝撃でその場に尻もちをついていて、目の前に光景に固まってしまっていた。
麻衣は靴箱入れに押しつぶされることはなく、無事そうだったがカメラが完全に下敷きになって壊れてしまっている。
そして目の前には自分を後ろへと投げ飛ばした男の人が倒れていた。
「だ、大丈夫ですか!?」
慌てて声をかければ、麻衣も男性に気が付いたようで慌てて駆け寄ってくる。
「だっ、だいじょうぶですか!?や、やだ……どうしよう。誰か、人を……」
「あ、あたし……呼んで……!」
「どうした?」
少しだけパニック状態になっていた二人に、誰かが声を掛けてきた。
驚いて結衣が振り返れば、そこには昨夜驚かしてきた怪しい少年の姿がそこにあった。
「あ、き、昨日の……」
「……リン?」
少年は怪訝そうにしながらも、男性の元に近寄り腰を屈めた。
「なにがあったんだ?」
「あっ、ええと……」