第1章 悪霊がいっぱい!?
隣の麻衣は夢の内容を思い出したのだろう。
顔を赤く染めながら、結衣の袖を微かに引っ張っていて、そんな彼女に結衣は溜息を吐く。
すると二人の存在に気が付いたナルがこちらへと視線を向けていた。
「……ゆうべ、レコーダーをセットしてくれたの麻衣と結衣か?」
「う、うん。ビデオのがよかったんだけどわかんなくて」
「だから扱いがわかるレコーダーだけを麻衣と、あとジョンに手伝ってもらって設置してたよ」
「おまえたちにしちゃ上出来だ。なかなかおもしろい音が入ってる」
褒められたの初めてな気がすると、結衣はぼんやりと考えていたが双子の妹はそれどころではないらしい。
未だに顔を真っ赤にさせて、ぼう……とナルの顔を見ている。
「なんだ?」
「えっ、あっ、べっ、別に。あっ!そうだ!ホラっ、あのっ靴箱!倒れたヤツ!あったかかったよ、あれ。ポルターガイストが動かした物は温度があがるっていってたよね」
「よく覚えてたな」
「う、うん……」
誤魔化すかのように笑う麻衣と、その様子を呆れて見ていた結衣にナルはケーブルを差し出した。
「ん?」
「機材をおく」
「「……は?」」
その後、ナルは何も言わずにそして双子に有無も言わさずに旧校舎に機材を運ばせた。
実験室にはあのイスがあり、その周りが白い何かで囲まれている。
「なにこれ」
「イス?」
「暗視カメラはどこにおかはるんどすか」
ちょうど通りがかったジョンまで巻き込んだナルは、『そこの三脚に』と指示を出す。
三人は『何をするんだろうか』と思いながらも、取り敢えず怒号が飛ばないようにと指示された通りの動きをした。
カメラを設置して、機材を運んで。
重たいものをまた運ぶ羽目になった双子はまた痛み出す腰をさすった。
「ねーねーねーねー、ねーってばなにー?ナルちゃーん、渋谷さまー。あっ、それはなに?それなに?」
まるで幼子のように麻衣はナルの元に駆け寄った。
「……これはレーダー」
「ってあの飛行機とかについてるヤツ!?なんに使うの?」
「レーダーなんて初めて見た。何のために置くの?」
双子は興味津々とレーダーを見ている。
本当にまるで幼子のようであり、そんな彼女たちにナルは小さく息を吐き出した。