第8章 呪いの家
「溜息だってつきたくなるよ。みんな怪我だらけなんだもん」
ぼーさんは平気と言っているが、ジョンと共に数針を縫っている。
あたしたちも擦り傷だらけであるが、ほとんど治ってはいた。
だが本当に今回は怪我だらけである。
「ぼーさんとジョンも数針縫ってるしさあ」
「もう平気だって言ってるだろ?心配性ねぇ、結衣ちゃんは」
「心配します〜」
だが、今回も無事解決できてよかった。
犠牲者は出てしまったが、それでも事件は解決出来た。
良かったと思いながら窓の外から青空を見る。
(あとはナルが退院できたらそれで終わり)
あたしは今はただそう思っていた。
これから待ち受ける事実を知らずに──
ー『呪いの家』完ー